スキナモノガタリ

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【SHIROBAKO】ずかちゃんはシンデレラだった!【考察】

よく無名の人が成功して一躍有名になって行く様をシンデレラストーリーなんて言うけど、SHIROBAKOの新人声優坂木しずかは本当にシンデレラを丁寧になぞってるだけと気付いた。
水島監督にしてやられた。
現代劇であること、新人声優と言う立場、主人公の内の1人であり他の主人公は普通にお仕事アニメしてると言うカモフラージュでまるで気付いてなかった。
SHIROBAKOの焦点がしずかだけじゃなく様々な場面、様々な視点に切り替わることでも良いように惑わされていたと思う。

 

先ずわかりやすく経緯で言うと初めてしずか(シンデレラ)がアニメの役を得よう(舞踏会)とオーディションで監督(王子)と会った時、王子(監督)はシンデレラ(しずか)が気になったけどシンデレラは去らなければならなかった(オーディションは落ちてしまった)。
その後キャサリンの妹と言う役(ガラスの靴)が出来た時、それにピッタリ当てはまるのがしずか(シンデレラ)だった。
その他バイトばかりの描写は掃除を押し付けられてたこと、モニターの向こう側の声優の描写は舞踏会へ遊びに出かけていた姉達、なかなか受からなかった描写は舞踏会へ行ってみたかったけど阻まれていたと言う状況、全部意地悪な姉達関連のメタファーとして思い当たる節がありますね。
つまり監督は王子様で、妹役はガラスの靴で、役を得てデビューすることは舞踏会で、ずかちゃんはシンデレラだった!
この古典を隠し隠し丁寧に布石を散りばめ描くことで、“約束された結果”が過剰な演出抜きに視聴者の感情を一気に決壊させたんです。
2015年にもなってシンデレラで泣かされたんだよ我々は!

 

わかってしまえば単純でピンと来ることなのにすっかり監督の術中にはまってた。
悔しい(笑)
こうして古典的な王道を仕込んでくるあたりさすがSHIROBAKOですわ。
そして先生としてアドバイスをしていた縦尾さんは魔法使い。
声優業(物語)として絡めないけど応援してた宮森は視聴者サイドの存在としての立ち位置か。
居酒屋で紹介を断ったのもシンデレラからのメタファーかもしれない。

 

改めて言いますが新人声優と言う立場を上手くシンデレラに落とし込むとは本当に感服しました。
そしてSHIROBAKOはアニメとしての教科書的とも言える起承転結と王道の引きをやりながら、童話としての古典的娯楽シンデレラを巧妙に隠してたことになります。天晴れです。
また、しずかのパートだけでアニメやるとそれはそれで終始暗いテイストになりそうですし、1クールものであっても引っ張り過ぎになったと思うので、SHIROBAKOのストーリー展開のさせ方だからこそエンターテイメントとして理に適った古典の挿入だなと思いました。
しかし水島監督はイタズラっ子とのことで他にもまだまだ何か仕込まれてそうな予感。
そうした意味でもSHIROBAKOの今後に期待してます。

 

余談
そう言えばアイドルマスターシンデレラガールズってアニメも同時期にやってるけど正にシンデレラを他アニメが描いてしまうとかなんたる皮肉\(^o^)/