スキナモノガタリ

好きなものを書いていこう。そこで繋がれると嬉しいから。

16ページの魔術師

前回に引き続き、またしてもハコヅメです。

もう面白いから仕方ない。

最初は絵が拙いながらも警察官から漫画家になった人がコミカルに描く職業漫画として楽しめていたのですが、作者さんは余程勤勉でバイタリティもある方だったんだろうなと伺わせられるほど、絵の上達だけでなく、話作りも巧みになっていると感じます。

今回、その巧さが存分に詰まった回が2週間の無料公開期間に入ったのでおすすめしたく書きました。

 

ハコヅメは毎話16ページと言う縛りで連載されています。

その16ページで、読者に3つの感情を抱いてもらって楽しんでもらおうと心掛けていると、以前漫道コバヤシさんのインタビューで語られてました。

なので今回もたったの16ページです。

ですが読み終えた時、もっと多くの情報量を得たような、そんな風に思える回の一つがこの回で…

人間ドラマとして展開させつつ、職業漫画としても機能させつつ、ドラマの魅力として伏線も仕込んで読み返す楽しみも持たせて、16ページにこれだけ要素を詰め込めるのかと思わされました。

と言うとこで先ずは一読おすすめします。

 

さて、一読した上でですが、ハコヅメの話を知らずとも違和感がなかったかと思います。

ハコヅメは既に14巻刊行されていて話も進んでいますが、そんな中で色んな要素を含みつつ完成された読切のような単話を作られているのがまた作者の巧さを感じさせられます。

ただ、完成されたように見えながらも、この話の一コマが大筋ではまた一つの伏線となっていたりするのが最近のハコヅメで、どこから何が活かされて展開してくるのか油断ならないのが更に漫画の巧さを感じさせられて、考察が捗りまた面白いのです。

 

そして同日更新された最新話、公開仕立てでまだ有料ですが、この回はまたとても大きな社会的テーマを負った回となりました。漫画の巧さで言えば本当に感情揺さぶられまくりの巧さです。久々に深く抉られました。

この回はチャイルドシート回と並んで広く知って欲しい。

また無料公開期間となったら記事にしたいと思います。