スキナモノガタリ

好きなものを書いていこう。そこで繋がれると嬉しいから。

マジメに刺さるラブコメ漫画〜あそこではたらくムスブさん〜

ブコメと言うとラッキースケベをラッキーとも隠さず前面に押し出してくる昨今、

露出が少なく微塵もスケベさを出してこないどころか社会人でそんなヤツいねーよ!と側から殴られそうなピュア具合でただただ仕事に打ち込む真面目な研究職女子をコンドーム開発会社にミックスしちゃったシチュエーション…

 

刺さる!

 

物語は会社で見かけたヒロインに一目惚れした主人公が、ヒロインと同じ部署に異動してくるとこから始まります。

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と言うとこからずばり主人公は下心の塊なのですが、この主人公も好きな人に下手に手は出せない!と言うマジメで奥手なタイプで、色々とハメを外しすぎない妄想をし、葛藤しながらきちんと一線引きつつヒロインと接していきます。

 

つまりはラブコメのコメディ部分をラッキースケベやエロ描写ではなく、エロに繋がりそうな職場で、真面目な人間が恋をしながら葛藤する部分に掛けていて、二人の付き合い自体は純愛仕立てとなっています。

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試作品とはもちろんコンドームの事。このあくまで仕事な提案に他意はない!(重要)

 

潤滑ゼリー開発のくだりでうっかりセクハラ発言してしまう主人公。これも他意がないから焦る焦る(笑)

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下に通じる事を異性にやらしい意味でわざと聞いたり言わせたりみたいなのがなく、本当クリーンな恋路です。

 

そして結さんが可愛い

いつも研究熱心でクールな感じのヒロイン結さんですが、誰も居ないのを見計らっての息抜きを主人公に見られてしまってのこのくだり

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何もなかったていで誤魔化しにかかりますがこの続きも含めてめちゃめちゃ萌えました(笑)

 

そんな2人の話ですが、2巻終盤からの一夜の話が凄かった。

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残業からの終電が…から始まる一夜。お察しください。

何がすごいって、この一夜を一年掛けて描いてるw

一年と言うのは少々理由があって、作者のモリタイシさんが他にも連載を持たれていて、そっちが医療漫画で重たい漫画だから、こっちは緩めにと連載されてるので月一ながらページ数も少なめ、と言う形で描かれていて、発刊速度も年一と言う超スローペースなのだと思いますが、その分話を丁寧に紡がれていて面白さに繋がっているのかなと感じました。

今時の社会人ラブコメでですよ、リアルに一年掛けて描いた一夜で、どんな進展したかってもう、、、

流石に言えませんが3巻最高でした!ごちそうさまでした!

 

また本筋ではないのですが、コンドーム開発においてはきちんと実際の会社が協力についていて、職業漫画的な側面も有しています。

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自分がギャップに弱いのは重々承知してるけど、このド直球そうな舞台であえて純愛のラブコメ、本当良かったです。既刊3巻だし何かの合間に適当に読んで行こうと思ってたのにうっかり一気読みしてしまい無事死亡しました。

ハコヅメの流れで漫道コバヤシの賞を気にするようになったけど、甘ずっぱいで賞2年連続受賞してる『君は放課後インソムニア』と戦わせたいね。刺客として送り込みたいね、ケンコバさんに。無理だけど。

 

興味の湧いた方はどうぞお納めください。

 






年の瀬に今一度ハコヅメを語ろう〜ハコヅメガタリ2020〜

2020年、人類にとって大きな転換を迎えたコロナの年。

ですが私にとっては、ハコヅメの年となりました。

今では毎週楽しんでいるハコヅメを改めて振り返りたいと思います。

1月、職業漫画を読みたいと思い立ち面白そうな漫画を探していたところ、『某県警に10年勤めた元警察官が描く警察漫画』と言う触れ込みが目に留まりました。

普段相対すると緊張するばかりで、その内情はとても気さくに知れるようなものではなく、接点はない、と言うか人生においてないに越したことはないような職業警察官。それを知れるのは面白そうだなと思いました。

また警察官が描いてるとはいえ評価はどんなものだろうと軽く調べると、様々な警察官から警察あるあるだと言った感想が転がっていて、『これは買い』だと全巻購入(当時10巻)に踏み切りました。

 

実際に読んでみると結構ギャグ主体で登場人物がコントを繰り広げていて読み易く、また独特な切り口のパワーワードが面白く、小気味良いテンポで話を展開させつつ明け透けに警察の内情が描かれていたり、新人川合に仕事を教えると言うていできちんと職業漫画もしていたり、警察漫画と言う事で覚悟はしていたけど凄惨な事件もたまに差し込まれ、普段の回との温度差で風邪もひけると、期待していた職業漫画としてこの時点で大変満足していました。

ですが当時最終巻だった10巻、それまで単話で完結していたハコヅメに、唐突に不穏なコマが差し込まれます。第一話冒頭で出てきた、普通なら忘れ去られた初期設定と思えるシーンを覆してきました。

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この辺りから、ハコヅメは単話完結の職業漫画から進化しました。

それまでは話が連続した長編であってもタイトルを引っ張ることはなく、内容も単話完結だったのですが、この長編はそれまでの巻で収録されていた描写の断片が実は伏線だったと言うように、一つの話として繋がりを持って動き始めたのです。

そしてその話がちゃっかり続きが気になる面白さでありながら11巻では途中で終わると言う小憎らしさ!いても立ってもいられず、コミックDAYSの最新刊の続き読めます戦略にずぶりとハマって行ったのでした。(公認の切り抜き機能もあり、現在はDモーニングで追ってます)

 

初の長編タイトル、『同期の桜』編を読み終えて、ハコヅメという漫画に関して深く理解した事が一つありました。

それは、同期の桜ではこれからカーチェイスが!凶悪な犯人を捕まえるぞ!ヒートアップした逮捕劇が始まるぞ!みたいなよくある警察作品的な展開で、それがほぼ描かれませんでした。代わりにピックアップされたのは警察署に残った副署長で、副署長の語りが終わる頃に逮捕されていると言う展開から、ハコヅメはよくある警察エンターテイメントではなく、あくまで警察官として働く人々のヒューマンドラマだと言うことを前面に出し、一線を引いた事です。

思い返せばそれまでも逮捕劇を焦点として描かれることはほぼなく、描かれるのは取調べとか聞き取りとか、警察の対応のシーンで、多くの警察作品において普段は話の過程でカタルシスへの一装置として描かれる程度の箇所に力を注ぎ、被害者と相対した場合の心持ちだとか普通聞かれたくないような内容まで突っ込んで聞くことの意義だとか、普段ギャグやったり漫才コントしながら、職務上本当に大事な箇所をきっちり押さえて来たと思います。

こうして、ハコヅメは作者が元警察官として伝えたいことがあって描いてる職業漫画であって、逮捕劇のエンタメ性は他所に任せた!と言わんばかりのはっきりしたスタンスとその完成度がより気に入ったのでした。

 

そしてこの同期の桜編以降、ハコヅメはそれまでの巻で散りばめた話の断片を、ちょくちょく最新話で繋いで来るようになりました。1巻収録でもギャグだった台詞でも、単話完結だと思っていた話の様々な箇所が紡がれるようになり、モブだと思っていたキャラが名前や物語を明かし始め、しかし話が収束するわけでもなく、むしろ新キャラも話の広がりもバンバン見せてくるし、色んなキャラの話が同時進行していて『ああ、これ、こっちの話は風呂敷畳みながらこっちでは伏線撒いてるな』みたいな、それまでのギャグ主体や小気味の良い話の展開や職業漫画的要素も維持しつつ新たに超構造的な伏線漫画をこなし始め、長く信じていた台詞のどんでん返しもあり、先が気になるとどのコマも油断ならないみたいな漫画に変貌しました。

これにより前に見たセリフの重みや意味合いが変わったりと、読み返すのも面白く、また先が気になるものの作者もミスリードを混ぜてくるので、考察も大変捗るようになりました。

最初の職業漫画の時点で満足していたんですが、何かもう突き抜けた気がします。このいくつもの要素の同時進行ぶりは428と言う名作ゲームを彷彿とさせてくれますし、今では警察漫画と言うより、一つの技巧派漫画としてオススメしたい気持ちでいっぱいです。

また、これだけ繋がりを持たせ始めてもたまに読み切りのような、他の回や登場人物を全く知らなくても楽しめる回も差し込んだりしていて、その回内でもしっかり伏線撒いてテンポよく展開して回収してと言う魅力を詰め込んでたりで、処女作にして転職した新人漫画家とは思えない力量をどんどん見せつけられている気がします。

少なくとも最初の元警察官と言う肩書きよりは、この複雑多岐な作品を成り立たせているのはもはや知能犯という方がしっくりくると思えるようになってしまいました。警察官ネタの引き出しも、今現在17巻相当だと思いますが変わらず底知れないし、寧ろ画力が上がって描ける話が増えて伸び伸び描かれてる感じがします。

 

今回タイトルでハコヅメガタリ2020としましたが、絵も話も急成長するこの作品、1年後にはまた別の顔になってるかもしれません。しかし来年も語ってると思います。そんなとこから2020と入れさせて頂きました。本誌の方では普通は怖くて投げれないようなとんでもない球を全力投球されましたし、今後も非常に楽しみな作品です。

 2年以上前、作品が進化してくる前からドラマ化が囁かれるレベルの実写化向き作品なので、2021年はもしかしたらそんな話も出てきて、より多くの人に発見される年になるかもしれませんね。

この複雑に絡んだ細切れエピソードを映像化向けにどう再構成するか、監督と脚本家の腕に全てかかってると思いますが、そんな話が出たらまた楽しみにして動向を見たいと思います。

 

 と言うことで、今年ハコヅメにどハマりした私は一つの罪をここに自白します。

名のある漫画賞にスルーされ続けるも評価爆上がりの漫画『ハコヅメ』

https://anond.hatelabo.jp/20200417114606

こちらの増田は私です。

こうしてブログは持ってますがいつも片隅で泣かず飛ばずなもので、増田とかの方が目につくのです。先ず更新頻度を上げろって話ですけどね。

にしても多くの人の目に止まれとなりふり構わないタイトル付けてて悪いですね。

何でこれが受賞してないんだーってとこから書いたので、こうなったと言うのもありますが、すみませんでした!

ただここで書き込んだ内容で面白いデータもあって、

2020年4月17日時点、Amazonで一巻が138の評価数、星平均は4.4。

その後は評価数は次第に落ち着いていき30〜40代の評価数になるも星平均は落ちず高評価をキープ。

そして9巻から叙々に評価数が上がり、現在最新刊11巻では1巻以来の評価数3桁入り(101)、星平均は4.9。

この8ヶ月前のデータを更新してみると

2020年12月31日時点、Amazonで一巻が424の評価数、星平均は4.4。

その後新たに期間限定無料巻に加わった3巻まで評価数250以上、星4.5以上で、以降も評価数160以上で高評価をキープ。

そして10巻から再び評価数200以上で軒並み高い評価を受け、最高評価は14巻、評価数351で星4.8。既刊15巻。

全体的に約3倍とえらい伸びを感じます。

えらい伸びだけど15巻にして100万部…!平均すると約7万部…不条理を感じますw

講談社の回し者じゃないですが、もっと売れてても良いと思う!

これは多分評判の波は立ってるけどその広がりを上回るペースの発刊速度の為せる技でもあるかなと。大体2ヶ月で一冊発刊のハイペースで、これも元警察官の体力とメンタルがあってのことだと思いますが、本当きっちりされてて仕事が早いのです。

この辺の仕事ぶりは3周年記念インタビューから一部引用しますが

https://comic-days.com/blog/entry/hakodume_3th (全文もオススメです)

――ほぼ休載なしで3年間連載を続けています。これはけっこうすごいことなのですが、なぜお休みを取らないのでしょうか?

泰 連載開始の頃は産後間もなかったこともあり、熟睡しないように半年ほど布団での睡眠を禁止して仕事していましたが、今では作業進行を計画的に進めることで、休載なしでも休養は充分とれるようになりました。休載しない一番の理由は、新人さんの代原を載せたくないからです。『ハコヅメ』は代原から連載にしていただいたので。新人さんの代原を見るのが怖くて仕方ないです。

 

――では私生活に踏み込みます。一日のルーティーンを教えてください。

泰 午前6時頃から朝の準備をして、午前8時から午後5時まで仕事、それから子供を寝かしつける午後9時まで家事、ごはん、子供の宿題に付き合う等諸々します。午後10時からは、仕事したり睡眠をとったり自由に過ごしています。

 

――週刊連載ということで1週単位で締め切りが来ます。一週間のルーティーンはありますか?

泰 月曜日にネームと作画、火曜日に担当さんとの電話打ち合わせと作画、水~金で作画をします。土〜日曜日の2日間はお仕事お休みです。

 

――体調管理、健康維持のためにしていることはありますか?

泰 ランニングと半身浴を毎日30分ずつ。肩こりが良くなります。

本当、どんな新人漫画家だよ(笑)

そしてこの年末には本誌が休刊ながらいつも通り仕事してしまったので休載ならぬ過載と言うオチが付いたのでした。

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もうハコヅメも大好きですが、作者が作者として大好きですね。

多分警察漫画じゃなくても面白い漫画描けると思う。今年はシキブアイラブユーもありましたね。

こんな作者さんの作品を、社会現象とまでは言わずとも、必要な人の目に届き、私のように日々の楽しみになっていけば良いなと思い、今後も推していきたいと思います。

いつもの如く駄文ながらここまで読んでくださりありがとうございました。

それでは皆様良いお年を!

  

自白ついでにもう一つ白状すると、ハコヅメの毎週の考察などはこちらのツイートで追ってます。

興味ある方はフォローお願いします。宜しければ一緒に考察していきましょう!

https://www.twitter.com/origaminote

 

いつまでかわかりませんが、電子書籍版が現在3巻まで無料という事で置いておきます。

こんな記事ですが興味が湧きましたら是非。

 




 

多くの人に読んで欲しいハコヅメの性被害回

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この如月と言うキャラは初登場時ただのイケメンの先輩として登場しました。

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そこからリアルに1年以上、ハコヅメの面白おかしな日常の過ごしの中で伏線を紡ぎ、この回で一つの真相と心の内を明かすに至りました。

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そんな回が2週間の無料期間に入ったので、是非。 

 

以下は私の御託です。

私はこれを読むまで、性被害と言うと人を傷つける行為としていけない事だと、ただこの世のルールとして当たり前にわかっているつもりでした。

性被害を描いた漫画等作品も沢山ありますし、読んで来ました。

ただどれも性被害をピンポイントで語る事で、ただその時の辛さが語られることで、わかっていたようで、その重さをわかっていなかったのではないかと、この回を読んで思いました。

ハコヅメでもメインテーマの一つなんだろうと思うほど性犯罪の話は出てきますが、どれもほぼ単一の事件として描かれたものでした。

しかし今回、こうしてじっくりと性被害者が普段どう過ごしてるか、外から見れば割と普通に過ごしている姿を描き、キャラにも愛着が湧いたところで「性犯罪の被害者は被害内容を話さないか小さく話す」を体現した、実はこんな思いで日々過ごしていたと言う描写は、とにかくずっしりと刺さりました。

初めてこれで、僅かばかりでも性被害の重みを知れたのだと思います。

今では皆こんな夜を、自己嫌悪を抱えて生きているのかなと、性犯罪を見れば想像するようになりました。

その痛みは、決して負わせてはいけないものだなと心より思えるようになりました。

 

描いて下さった作者に感謝を。

そして、如月部長に救いがありますように。

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その漫画は、暗雲立ち込める暗示を、光一閃と言わんばかりの明示で貫いた

びっくりした。

こんな日本語の構文あったの?ってくらい、気付いて震えました。

と言うわけで、またまた、ハコヅメです!

またかよとか言われてもまたやられたからしょうがない。

この構成が偶然であるなら持ってるし、計算と言われたらもう…

ほんっとこの作者、元警察官じゃないよ、ただの知能犯だよ!

 

さてどう言うことか説明するのにちょっと前置きがあります

ハコヅメは現在、毎週木曜日発刊の週刊モーニングで連載されています。

またそれとは別に、講談社系の漫画アプリ、コミックDAYSでも週刊で公開されてる回があります。

ハコヅメはコミックDAYSだと毎週月曜日更新組で、その月曜日では約1年前の回が2週間限定で無料公開となっています。

ですがコミックDAYSにおけるハコヅメの無料公開は実はもう一つあって、そちらは約1月前の回が、週刊モーニングと同じく木曜0時から2週間限定で無料公開となっています。

 

恐ろしいことに以前から、ハコヅメの最新話はこの周回遅れの無料公開を意識してリンクさせたような話を作り上げてるのではないかとファンの間で言われたりしてました。

実際読んでても妙に関連づいたような、最新話を読んで公開される過去話を読み返すとハッとするような話や伏線を回収してる事があったりするのです。

今回のギミックも、ズバリそんな現代ならではの二重構成からくる衝撃でした。

そんなわけで…

 

今週無料公開された約1月前の回はこちらになります。

タイトルは最後の昼餐。もうズバリなタイトルです。

そして…

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こんな絵とセットで、“嫌な予感”とか“最悪の裏切り”とか、『この者たちが揃うことは二度となかった』的なことを匂わせてきたわけです。

この絆が崩壊する…?終わりの始まり…?

もうハコヅメ始まって以来一番の暗雲を立ち込めさせた回でした。

ギャグも伏線にしてしまうような漫画で、更にミスリードも混ぜ込んでくるので、ギャグでも油断なく読むと言ういちファンの職務を全うするしかなく、この仲間への疑心暗鬼感半端ない空気を背負わされたわけです。

これまで親しんだキャラを疑う、嫌な思考が頭を巡る。

もう呪い級の暗示でした。

 

そして今週発売の最新話は、そんな重い空気を力技で押し晴らしてしまうような、読者をひとしきり爆笑させてから、少しの間を持たせ、空気を変え、並の漫画家さんじゃ怖くて投げられない球を全力投球する、と言ったような大絶賛回でした。全力投球すぎてぽかんとされる方もいましたw

正直、その単話だけで構成上手だし面白いしで満足度も高く、何周か読んでも過去話との関係性には気付いていませんでした。

これまでだと最新話で数話前の言葉の真意がわかる、と言う感じの関連付けが多かったのです。

 

ですがその全力投球が、あの暗示に軽く風穴開けてしまうほどの明示だと気付いた時、震えました。

正直暗示の全てが晴れるわけではないんですが、光一閃、これで終わるかもしれないと言う絶望的だった暗示は、絶対に終わらないと言う強い明示によって貫かれたのです。

こんな暗示と明示の使われ方は、見たことも聞いたこともなく、ただただ震えました。

偶然か、計算か、この構文を評価するには私の語彙は足りません。

 

私に出来ることは一つだけ。

ハコヅメ、おすすめです!

 

モーニング今週号は作者インタビュー付き!(モーニングの電子書籍はDモーニングがお勧めです)

12月3日まで電子書籍1〜3巻無料!

 

16ページの魔術師

前回に引き続き、またしてもハコヅメです。

もう面白いから仕方ない。

最初は絵が拙いながらも警察官から漫画家になった人がコミカルに描く職業漫画として楽しめていたのですが、作者さんは余程勤勉でバイタリティもある方だったんだろうなと伺わせられるほど、絵の上達だけでなく、話作りも巧みになっていると感じます。

今回、その巧さが存分に詰まった回が2週間の無料公開期間に入ったのでおすすめしたく書きました。

 

ハコヅメは毎話16ページと言う縛りで連載されています。

その16ページで、読者に3つの感情を抱いてもらって楽しんでもらおうと心掛けていると、以前漫道コバヤシさんのインタビューで語られてました。

なので今回もたったの16ページです。

ですが読み終えた時、もっと多くの情報量を得たような、そんな風に思える回の一つがこの回で…

人間ドラマとして展開させつつ、職業漫画としても機能させつつ、ドラマの魅力として伏線も仕込んで読み返す楽しみも持たせて、16ページにこれだけ要素を詰め込めるのかと思わされました。

と言うとこで先ずは一読おすすめします。

 

さて、一読した上でですが、ハコヅメの話を知らずとも違和感がなかったかと思います。

ハコヅメは既に14巻刊行されていて話も進んでいますが、そんな中で色んな要素を含みつつ完成された読切のような単話を作られているのがまた作者の巧さを感じさせられます。

ただ、完成されたように見えながらも、この話の一コマが大筋ではまた一つの伏線となっていたりするのが最近のハコヅメで、どこから何が活かされて展開してくるのか油断ならないのが更に漫画の巧さを感じさせられて、考察が捗りまた面白いのです。

 

そして同日更新された最新話、公開仕立てでまだ有料ですが、この回はまたとても大きな社会的テーマを負った回となりました。漫画の巧さで言えば本当に感情揺さぶられまくりの巧さです。久々に深く抉られました。

この回はチャイルドシート回と並んで広く知って欲しい。

また無料公開期間となったら記事にしたいと思います。

最近のハコヅメ〜交番女子の逆襲〜

私のオススメは何と言っても毎週楽しみに連載追っかけてる漫画、ハコヅメです。

警察官として10年勤務された本職の方が警察をテーマに描いた職業漫画ということで、方々で話題となることもありました。

既刊は2年目にして14巻で、先月出ましたが来月15巻が出ます。作者さんが元警察官できっちりされてて体力もあるのかかなりハイペースだと思います。画力もメキメキ上がってます。

堅い法の番人感を崩すような緩い空気やギャグの掛け合い、独特なパワーワードを織り混ぜつつ、警察として大事なところは大事なところで踏まえ、その緩急のバランスで楽しめる漫画です。

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それが10巻くらいまではほぼ1話完結、日常系漫画として親しまれていましたが、11巻より長編が導入され始め、しかも過去回の節々に散りばめられた台詞なども回収されたり、見え方が変わったりと縦の時間軸で話を繋げてくるようになりました。

かと言って物語が収束に向かっているわけでもなく、新キャラも出るし新たな伏線らしき導入も散りばめながら、キャラの立ち位置の変化も描きながら、さながら丁寧に紡がれる歴史物の様に作品が変化してきました。

alu.jp

そんなハコヅメを週刊連載で追ってしまうほどの魅力はズバリ先の読めなさ、伏線回収の妙があると思います。

さりげない台詞どころかバカみたいなギャグにも仕込みがあったりして、作者の掌でころころと良いように転がされてる気さえします。

また1ページ目、1コマ目からの流れで全くオチが読めません。毎週たった16ページにも関わらず転じて転じて転じて落ちるみたいなジェットコースターが楽しいです。

ギャグで笑い転げてたらシリアスに刺されることもあります。

とは言え毎週買って読めとまでのオススメは出来ませんが、先ずは単行本から手に取ってみて最新刊まで楽しめたらぜひ、ハマって頂ければと思います。

 

好きなもの語り〜DéracinéとScarborough Fair〜

中世の西洋的な雰囲気で妖精さんが出てきてScarborough Fairが流れるフロムソフトウェアのゲームとか言う卑怯さに一本釣りされ、PS VRごと購入したDéracinéを先日クリア致しました。

お伽話チックでミステリアスな雰囲気だけでも好きなんですが、スカボローフェアって何故か昔から強く惹かれるんですよね。

物心つかない頃に聴いてタイトルがわからないけどずっと心のどこかで琴線に触れる曲としてしまってあった自身の中での遠い昔のおとぎ話感。

大きくなってふと旋律を思い出し、それらしいキーワードで探して再発見するかのように再開し、より深くネットの知識で追ってみれば旋律、詩どころかタイトルまで諸説ある吟遊詩人によって歌い継がれてきた伝統的な民謡歌と、どこまでも心をくすぐられる詩曲です。

この辺り、ニコニコ動画に詳細な動画があり、とても勉強になりました。

スカボローフェアの不思議 前編 http://sp.nicovideo.jp/watch/sm12640287

この動画を追ってみるとスカボローフェアはいくつか原曲となるものがあり、そして原曲はどれも妖精と関わりが深いことがわかります。

そしてDéracinéと言うゲームは内容を思い起こせば、しっかりとその原曲理解を下地にメインテーマにスカボローフェアが選ばれたんだなと感心しました。

あんまり言うとゲームのネタバレなので、ネタバレ食らいたくない人は上記の動画もお預けです。

ちなみに今でこそサイモン&ガーファンクル版が有名すぎてそれとして知られていますが、個人的に一番気に入ってるのは上野洋子さんが歌うvita nova版です。酒場で演奏されてそうな陽気な雰囲気がとても面白いです。

DéracinéのScarborogh Fairも旋律はこっちに近いですね。

vita nova

https://www.youtube.com/watch?v=Re8o5hZDTX0

もはや一般的とも言えるサイモン&ガーファンクル版

https://www.youtube.com/watch?v=-BakWVXHSug

良ければどうぞ聴き比べてみてください。

 

そんなこんなで、Déracinéは結構コンパクトで短めなゲームでしたが、初のPS VRを体感しながらでちょうど良い長さに感じました。

酔いやすいと言う個人的な欠点はありましたが、妖精と人間の織りなすお伽話のような世界にVRで干渉して行ける面白さと、先が気になる物語に惹き込まれました。

ごちそうさまでした。